バックオフィス早見表

育児・介護休業法で会社がやることの早見表(2025年改正・全面施行済み)

令和6年5月の改正により、育児・介護休業法は2025年(令和7年)4月1日と同年10月1日の2段階で施行され、すでに全面施行されています。1〜4・6〜11は全企業が対象です。何が義務で、何が努力義務で、どれが就業規則の見直しを伴うのかを1枚にまとめました。

本表は2026年度時点の育児・介護休業法および同法施行規則・指針にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

📋 育介法 改正対応 即答ボックス

柔軟な働き方は5つから2つ以上3歳〜小学校就学前
子の看護等休暇は小学校3年生修了まで日数は年5日で据置き
残業免除の請求は小学校就学前まで3歳未満から拡大
育休取得率の公表は従業員300人超1,000人超から拡大
介護の情報提供は40歳の年度介護に直面する前に
就業規則の見直しは1・2・6・10で必須3・4・9は選択・努力義務

表1: 2025年(令和7年)4月1日施行の9項目

#項目施行前施行後(現在)区分
1子の看護等休暇の見直し小学校就学の始期に達するまで/事由は①病気・けが ②予防接種・健康診断小学校3年生修了まで/事由に③感染症に伴う学級閉鎖等 ④入園(入学)式、卒園式を追加/名称が「子の看護等休暇」に義務
(就業規則)
2所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大3歳未満の子を養育する労働者小学校就学前の子を養育する労働者義務
(就業規則)
3短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークを追加代替措置は①育児休業に関する制度に準ずる措置 ②始業時刻の変更等③テレワークを追加選択する場合は就業規則
4育児のためのテレワーク導入—3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう措置努力義務
5育児休業取得状況の公表義務の拡大従業員数1,000人超の企業従業員数300人超の企業。年1回、公表前事業年度の終了後おおむね3か月以内に、インターネット等一般の方が閲覧できる方法で公表義務
(300人超のみ)
6介護休業を取得できる労働者の要件緩和労使協定で①週の所定労働日数2日以下 ②継続雇用期間6か月未満を除外できた②継続雇用期間6か月未満の除外規定を撤廃(①のみ除外可)義務
(協定があれば就業規則)
7介護離職防止のための雇用環境整備—①研修の実施 ②相談体制の整備(相談窓口設置) ③自社の取得・利用事例の収集・提供 ④利用促進に関する方針の周知 のいずれかを実施(複数が望ましい)義務
8介護離職防止のための個別の周知・意向確認/情報提供—介護に直面した旨の申出をした労働者への個別周知・意向確認/40歳等の早い段階での情報提供義務
9介護のためのテレワーク導入—要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう措置努力義務

※ 子の看護等休暇の取得可能日数は年5日(子が2人以上の場合は10日)で変更ありません。
※ 除外できる労働者は「週の所定労働日数が2日以下」のみになり、継続雇用期間6か月未満を労使協定で除外することはできなくなりました(子の看護等休暇・介護休暇とも)。

表2: 2025年(令和7年)10月1日施行の2項目

#項目内容区分
10柔軟な働き方を実現するための措置等3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、5つの措置から2つ以上を選択して講じる(労働者はその中から1つを選んで利用)。選択の際は過半数組合等からの意見聴取が必要義務
(就業規則)
11仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮妊娠・出産等の申出時と、子が3歳になるまでの適切な時期に、勤務時間帯・勤務地・両立支援制度の利用期間・就業条件について意向を聴取し、自社の状況に応じて配慮する義務

表3: 「柔軟な働き方」5つの選択肢(2つ以上を選ぶ)

選択肢満たすべき内容
① 始業時刻等の変更一日の所定労働時間を変更しない。フレックスタイム制、または始業/終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤)のいずれか
② テレワーク等一日の所定労働時間を変更せず、月10日以上利用できるもの。原則、時間単位で取得可とする必要がある
③ 保育施設の設置運営等保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配および費用負担など)
④ 養育両立支援休暇の付与一日の所定労働時間を変更せず、年10日以上取得できる休暇。原則、時間単位で取得可とする必要がある
⑤ 短時間勤務制度一日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの

①〜④は「フルタイムでの柔軟な働き方」に当たる選択肢です。5つのうち2つ以上を制度化し、就業規則等に定めて周知します。

表4: 個別周知・意向確認・意向聴取の「いつ・何を・どうやって」

場面時期伝える/聴く内容
育児休業制度の個別周知・意向確認
(従来からの義務)
本人または配偶者の妊娠・出産等の申出時育児休業制度の内容、申出先、育児休業給付、休業中の社会保険料の取扱い 等
柔軟な働き方の措置の個別周知・意向確認子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)①選択した対象措置(2つ以上)の内容 ②申出先 ③所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度
仕事と育児の両立に関する意向聴取①妊娠・出産等の申出時 ②子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間①勤務時間帯(始業・終業の時刻) ②勤務地 ③両立支援制度等の利用期間 ④就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)
介護の個別周知・意向確認介護に直面した旨の申出をしたとき①介護休業・介護両立支援制度等の内容 ②申出先 ③介護休業給付金に関すること
介護の情報提供①40歳に達する日(誕生日の前日)の属する年度(1年間) ②40歳に達する日の翌日(誕生日)から1年間 のいずれか同上(あわせて介護保険制度の周知が望ましい)

方法はいずれも①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等のいずれか。面談はオンラインでも可、③④は労働者が希望した場合のみです。取得・利用を控えさせるような個別周知・意向確認は認められません。

社内で点検するポイント(未対応がないか)

  1. 就業規則・育児介護休業規程: 子の看護等休暇の対象年齢(小3修了)・取得事由4つ、残業免除の対象(小学校就学前)、介護休暇等の除外規定の削除、柔軟な働き方の2措置以上を反映しているか(就業規則の記載事項と届出)
  2. 労使協定: 「継続雇用期間6か月未満」を除外する条項が残っていないか
  3. 過半数組合等からの意見聴取: 柔軟な働き方の措置を選ぶ際に実施したか(記録を残す)
  4. 面談・周知の様式: 妊娠・出産の申出時、子が1歳11か月〜2歳11か月の時期の面談記録を残しているか
  5. 育休取得率の公表: 従業員300人超なら、事業年度終了後おおむね3か月以内に自社サイト等で公表したか
  6. ハラスメント防止: 育児休業等に関するハラスメントの防止措置とあわせて点検(ハラスメント防止措置の早見表)

よくある質問

Q1. 中小企業にも全部適用される?

A. 育児休業取得状況の公表(項目5)を除き、すべて全企業が対象です。公表義務だけは従業員数300人超の企業に限られます。企業規模による猶予期間は設けられていません。

Q2. 「柔軟な働き方」は5つ全部を用意しないとダメ?

A. 2つ以上で足ります。選ぶ際に過半数組合(なければ過半数代表者)からの意見聴取の機会を設けることが必要です。労働者は会社が講じた措置の中から1つを選んで利用します。

Q3. 子の看護等休暇は有給にしないといけない?

A. 法律上、有給とすることまでは求められていません(無給でも差し支えありません)。ただし賃金の取扱いは就業規則の絶対的必要記載事項にあたるため、有給・無給のいずれであっても規程に明記する必要があります。

Q4. 意向聴取をしたが、会社として応じられない場合は?

A. 法律が求めているのは「意向を聴取し、自社の状況に応じて配慮すること」であり、労働者の希望どおりの措置を義務づけるものではありません。配慮の例として、勤務時間帯・勤務地にかかる配置、業務量の調整、両立支援制度等の利用期間の見直し、労働条件の見直し等が挙げられています。聴取と検討の経緯を記録に残すことが実務上重要です。

Q5. 給付金の額はどこで確認できる?

A. このページは会社が講じる制度側の早見表です。金額は育児休業給付金の早見表、育児時短就業給付金の早見表、介護休業給付金の早見表をご覧ください。

Q6. 就業規則を変えたら届出は必要?

A. 常時10人以上の労働者を使用する事業場では、変更のたびに労働基準監督署へ届け出る必要があります(労働者代表の意見書を添付)。あわせて、変更後の規程を労働者に周知してください。

関連する早見表

出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。個別の制度設計・規程の当否にはお答えできません。所轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)・社会保険労務士へ。

最終更新: 2026-09-15

🗓 同じカテゴリの早見表(休暇・労務基準)をすべて見る →