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就業規則は何人から必要?記載事項と届出の早見表

就業規則は常時10人以上の労働者を使用する事業場で作成・届出が義務になります。判定は会社全体ではなく事業場ごと、人数にはパート・アルバイトも含みます。必ず書く項目と、制度を設けるなら書く項目、そして作って終わりにしないための届出と周知の手順をまとめました。

本表は2026年度時点の労働基準法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

📕 就業規則 即答ボックス

義務になるのは常時10人以上事業場ごとに判定
人数の数え方パートも含む派遣は派遣元でカウント
必ず書く項目3つ労働時間・賃金・退職
届出先所轄の労働基準監督署意見書を添えて
変更したときもそのつど届出同じ手続き
周知しないと効力が否定されうる30万円以下の罰金も

表1: 作成・届出の義務と数え方

項目内容
義務の対象常時10人以上の労働者を使用する事業場(労基法89条)。会社全体ではなく事業場(場所)ごとに判定する
人数の数え方正社員だけでなくパート・アルバイト・契約社員を含む。派遣労働者は派遣元でカウントする。繁忙期だけ10人になる場合は「常時」に当たらないことがある
10人未満の事業場作成義務はないが、任意に作成して届け出ることは可能。トラブル防止のため作成が推奨される(助成金の要件になっていることもある)
届出先事業場を管轄する労働基準監督署長。本社一括届出の制度もある(電子申請では要件が緩和されている)
添付書類労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を記した書面(意見書)。同意ではなく意見でよい(反対意見でも届出は受理される)
変更したとき変更のつど、同様に意見書を添えて届け出る
罰則作成・届出・周知の義務違反は30万円以下の罰金(労基法120条)

表2: 絶対的必要記載事項(必ず書く3項目)

#項目
1始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項
2賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算および支払の方法、賃金の締切りおよび支払の時期並びに昇給に関する事項
3退職に関する事項(解雇の事由を含む)

表3: 相対的必要記載事項(その定めをする場合は書く8項目)

#項目
1退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法、支払の時期
2臨時の賃金等(退職手当を除く)および最低賃金額に関する事項
3労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めに関する事項
4安全および衛生に関する事項
5職業訓練に関する事項
6災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項
7表彰および制裁の種類および程度に関する事項
8その事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項(休職、服務規律、副業・兼業、ハラスメント防止など)

「相対的」とは定めを置くなら必ず書くという意味です。たとえば懲戒処分は、就業規則に種類と程度を定めていなければ行えません(表3-7)。副業・兼業や休職の運用も、規定がなければ根拠がありません。

表4: 周知の方法(これをしないと効力が問題になる)

方法内容
掲示・備付け常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付ける
書面の交付労働者に書面を交付する
電子データ磁気テープ・磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者がその記録の内容を常時確認できる機器を設置する(社内ネットワークの共有フォルダ・イントラネット等)

労基法106条の周知義務です。就業規則が労働契約の内容になるためには「合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた」ことが必要とされており(労働契約法7条)、金庫にしまってある就業規則は効力を主張しにくいと考えてください。

作成・変更の手順

  1. 案を作る(厚生労働省のモデル就業規則が無料で公開されており、条文例と解説がついています)
  2. 労働者代表を選ぶ — 過半数組合がなければ、労働者の過半数を代表する者を投票・挙手など民主的な方法で選出する(会社が指名した者は不可。管理監督者は代表になれません)
  3. 意見を聴く — 意見書に署名または記名押印をもらう(同意までは不要)
  4. 届け出る — 就業規則(変更)届+意見書+就業規則本体を所轄労働基準監督署へ
  5. 周知する — 表4の方法で。ここまでやって完了です

労働者に不利益な変更をする場合、原則として労働者との合意が必要で、合意なく就業規則の変更で労働条件を不利益に変更するには変更に合理性があり、かつ周知されていることが必要です(労働契約法9条・10条)。賃金・退職金に関わる変更はとくに慎重な検討が必要です。

よくある質問

Q1. 本社5人・支店6人。就業規則は必要?

A. 判定は事業場ごとなので、いずれも10人未満であれば作成義務はありません(会社合計11人でも義務にはなりません)。ただし、実態として本社と支店が一体で運営されているような場合は一つの事業場とみなされることがあります。判断に迷う場合は所轄の労働基準監督署にご確認ください。

Q2. パート用の規則は別に作れる?

A. 作れます。パートタイム労働者などに適用される別規程を設けることができます。その場合、本則で「パートタイム労働者については別に定める」と明記し、別規程も就業規則の一部として届出・周知が必要です。パート用規程を作る際は、パート・有期雇用労働法にもとづき短時間・有期雇用労働者の過半数代表者の意見を聴くよう努めるものとされています。

Q3. 労働者代表が意見書に反対と書いたら届出できない?

A. 届出できます。求められているのは「意見を聴くこと」であって同意ではありません。反対意見が記載されていても受理されます。ただし、内容に問題があれば労働基準監督署から指導を受けることはあります。

Q4. 就業規則と労働契約、どちらが優先する?

A. 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分が無効となり、就業規則の基準によります(労働契約法12条)。逆に、労働契約のほうが労働者に有利な場合はその契約が有効です。また就業規則は法令や労働協約に反してはならないとされています(労基法92条)。

Q5. 最後に見直したのが10年前。何から確認する?

A. 近年の改正が多い項目から確認するのが効率的です。年5日の年次有給休暇の時季指定義務、時間外労働の上限規制、パワーハラスメント防止措置、育児・介護休業関連の制度、無期転換ルール、副業・兼業など。厚生労働省のモデル就業規則は改正のたびに更新されているので、自社の規程と条文単位で突き合わせると漏れが見つかります。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。自社の規程が要件を満たしているか、不利益変更に合理性があるかといった判断には回答できません。所轄の労働基準監督署・社会保険労務士へ。

最終更新: 2026-09-13

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