法定三帳簿の記載事項早見表(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)
労働者を雇ったら、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の3つを整えて保存する義務があります(法定三帳簿)。監督署の調査で最初に見られる書類でもあります。何を書かなければならないかを、労働基準法と施行規則の条文どおりに並べました。
本表は2026年度時点の労働基準法・同法施行規則にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。
📒 法定三帳簿 即答ボックス
表1: 労働者名簿の記載事項(労基法107条・規則53条)
| # | 記載事項 | 備考 |
|---|---|---|
| ① | 労働者の氏名 | — |
| ② | 生年月日 | — |
| ③ | 履歴 | 社内の異動歴・職歴など |
| ④ | 性別 | — |
| ⑤ | 住所 | 変更があれば遅滞なく訂正 |
| ⑥ | 従事する業務の種類 | 常時30人未満の労働者を使用する事業場では記入不要 |
| ⑦ | 雇入れの年月日 | — |
| ⑧ | 退職の年月日およびその事由 | 退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む |
| ⑨ | 死亡の年月日およびその原因 | — |
対象は日々雇い入れられる者を除くすべての労働者です(事業の種類を問いません)。様式第19号がありますが、記載内容に漏れがなければ他の様式・自社フォーマットでも差し支えありません。
表2: 賃金台帳の記載事項(労基法108条・規則54条)
| # | 記載事項 | 備考 |
|---|---|---|
| ① | 労働者の氏名 | — |
| ② | 性別 | — |
| ③ | 賃金計算期間 | 日々雇い入れられる者(1か月を超えて引き続き使用される者を除く)は記入不要 |
| ④ | 労働日数 | — |
| ⑤ | 労働時間数 | — |
| ⑥ | 時間外労働時間数 | この3つを分けて記入する必要があります(割増率が異なるため) |
| ⑦ | 休日労働時間数 | |
| ⑧ | 深夜労働時間数 | |
| ⑨ | 基本給・手当その他賃金の種類ごとの額 | 手当は種類ごとに区分して記載する |
| ⑩ | 賃金の一部を控除した場合には、その額 | 控除できるものには制限があります(賃金からの控除の早見表) |
賃金台帳は事業場ごとに調製します。本社で一括して労務管理をしている場合でも、各事業場に備え付けられる状態にしておく必要があります。
管理監督者(労基法41条)についても、労働時間数の記入は不要でも、深夜労働時間数の記入は必要です(深夜割増は適用されるため)。
表3: 出勤簿等(労働時間の記録)
出勤簿は労働基準法に「出勤簿」という名称で直接定められた帳簿ではありませんが、賃金台帳に労働日数・労働時間数を記入するために不可欠であり、労働時間の適正な把握のガイドラインでも記録が求められています。
| 該当する記録 |
|---|
| ① 出勤簿やタイムレコーダー等の記録 |
| ② 使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類 |
| ③ 残業命令書およびその報告書 |
| ④ 労働者が記録した労働時間報告書等 |
労働時間の把握はタイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎とするのが原則です(労働時間に含む・含まないの判定早見表)。
表4: 保存期間と起算日(労基法109条・規則56条)
保存期間は5年ですが、当分の間は3年とされています(2020年4月1日施行の改正で3年→5年に延長し、経過措置により当分の間は3年)。起算日は帳簿ごとに異なります。
| 帳簿・書類 | 起算日 |
|---|---|
| 労働者名簿 | 労働者の死亡・退職・解雇の日 |
| 賃金台帳 | 労働者の最後の賃金について記入した日 |
| 出勤簿等 | 労働者の最後の出勤日 |
| 労働条件通知書 | 交付日 |
| 労使協定書・各種許認可に係る書類 | 完結の日 |
| 災害補償に関する書類 | 補償の終了日 |
「3年経ったから捨てる」ではなく、起算日から数えるのが実務のポイントです。他部門の書類も含めた保存年数は文書の法定保存期間一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. 決められた様式を使わないとダメ?
A. 様式第19号(労働者名簿)、様式第20号・第21号(賃金台帳)がありますが、記載内容に漏れがなければ、これら以外の様式でも差し支えありません。給与計算ソフトの出力帳票でも、表2の項目がすべて含まれていれば賃金台帳として認められます。
Q2. パート・アルバイトの分も作る?
A. 作ります。労働者名簿は日々雇い入れられる者を除くすべての労働者が対象、賃金台帳はすべての労働者が対象です(日雇いには様式第21号があります)。役員は労働者ではないため対象外ですが、使用人兼務役員で労働者性がある場合は必要になります。
Q3. 電子データで保存していい?
A. 差し支えありません。必要事項が記録され、法定の期間にわたって保存され、労働基準監督官の求めに応じて直ちに必要事項が明らかにされ、写しを提出できる状態であることが求められます。クラウドの給与システムで管理する場合は、退職者分が保存期間中に削除されない設定かを確認してください。
Q4. 本社でまとめて作ってもいい?
A. 賃金台帳は事業場ごとに調製するのが原則です。本社で一括して労務管理をしている場合でも、各事業場ごとに区分して作成し、監督署の調査時にその事業場のものを示せる状態にしておく必要があります。
Q5. 賃金台帳に「残業時間」をまとめて書いてもいい?
A. いけません。時間外労働時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数は区分して記入する必要があります。割増率がそれぞれ異なるため、合算では適正な計算を確認できないからです。
Q6. 作っていないと罰則はある?
A. 労働者名簿・賃金台帳の調製義務および記録の保存義務の違反は、30万円以下の罰金の対象です(労基法120条)。実務上は、是正勧告を受けて整備するケースが多く見られます。
関連する早見表
出典(すべて官公庁の一次情報)
- 沖縄労働局「労働者を雇用したら帳簿などを整えましょう」[PDF] — 三帳簿の記載項目・起算日・様式(表1〜表4の出典)
- 厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」[PDF] — 記録の保存期間5年(当分の間3年)・起算日の明確化
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」[PDF] — 賃金台帳の適正な調製
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「労働基準法」
- 労働基準法107条(労働者名簿)・108条(賃金台帳)・109条(記録の保存)・120条(罰則)/労働基準法施行規則53条・54条・55条・56条 — 本表の法定根拠
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※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。個別の帳簿の適否にはお答えできません。所轄の労働基準監督署・社会保険労務士へ。
最終更新: 2026-09-15