文書の法定保存期間一覧【部門別】棚卸と廃棄の段取りつき
書庫の棚卸・廃棄をする実務者向けに、法定保存期間を部門別(経理/人事労務/総務・法務)に並べ直した一覧です。各表に起算日と廃棄前チェックを付けました。書類名から網羅的に引きたい場合は、姉妹サイトの文書保存年限早見表(スペック早見表)が根拠法つきで詳しいです。
本表は2026年度時点の一般的な情報です。業法(建設業法・宅建業法等)の独自義務は含みません。廃棄の最終判断は必ず顧問税理士・社会保険労務士・弁護士に確認してください。
🗄️ 保存期間 即答ボックス
経理の証憑7年欠損金の年度は10年
帳簿・決算書10年会社法
賃金台帳・出勤簿5年(当分3年)労基法
年末調整関係7年翌年1月10日の翌日起算
定款・登記関係実務上永久捨てない
迷ったら長い方複数法令の重複が普通
表1: 経理部門(税務・会計)
| 書類 | 実務の保存年数 (長い方基準) | 起算日 | 廃棄前チェック |
|---|---|---|---|
| 総勘定元帳・仕訳帳などの会計帳簿 | 10年 | 帳簿閉鎖の時 | 会社法432条が10年(税法は7年)。長い方に合わせる |
| 決算書(計算書類) | 10年 | 作成した時 | — |
| 請求書・領収書・契約書・見積書・注文書(証憑類) | 7年 | その年度の確定申告書の提出期限の翌日 | 青色欠損金が出た年度の分は10年残す |
| 電子取引データ(メール添付の請求書等) | 紙の証憑と同じ年数 | 同上 | 電子帳簿保存法によりデータのまま保存(紙に出して原本廃棄は不可) |
| 源泉徴収簿・扶養控除等申告書など年末調整関係 | 7年 | (提出期限の属する年の)翌年1月10日の翌日 | マイナンバー記載書類は廃棄方法にも注意(復元不可能な方法) |
表2: 人事・労務部門
| 書類 | 保存年数 | 起算日 | 廃棄前チェック |
|---|---|---|---|
| 労働者名簿 | 5年(当分の間3年) | 退職・死亡の日(作成日ではない) | 在籍者の分は廃棄不可 |
| 賃金台帳 | 5年(当分の間3年) | 最後の記入をした日 | 未払い残業のトラブルに備え5年残す運用が安全 |
| 出勤簿・タイムカード | 5年(当分の間3年) | 完結の日 | 同上 |
| 雇入れ・解雇・退職関係書類 | 5年(当分の間3年) | 退職・死亡の日 | — |
| 健康診断個人票 | 5年 | 作成の日 | 特殊健診(有害業務)は7年〜40年の長期保存あり・要個別確認 |
| 雇用保険 被保険者関係書類 | 4年 | 完結の日 | — |
| 健保・厚年の書類 | 2年 | 完結の日 | — |
| 労災保険関係書類 | 3年 | 完結の日 | — |
※ 労基法109条の「5年」は経過措置(143条)で当分の間3年。ただし賃金請求権の消滅時効は既に5年(当分3年)へ延長が進んでおり、実務は5年保存に寄せておくのが無難です。
表3: 総務・法務部門
| 書類 | 保存年数 | 起算日 | 廃棄前チェック |
|---|---|---|---|
| 定款・登記関係・許認可書類 | 実務上永久 | — | 廃棄しない |
| 株主名簿 | 実務上永久 | — | 備置義務あり |
| 株主総会議事録 | 10年(本店) | 総会の日 | 支店備置分は5年 |
| 取締役会議事録 | 10年 | 取締役会の日 | — |
| 契約書(取引基本契約など継続中のもの) | 契約終了後7年〜10年 | 契約終了時 | 契約が生きている間は年数に関係なく廃棄不可 |
年1回の廃棄棚卸の段取り(実務手順)
- 期限一覧を作る: 箱・フォルダごとに「書類種別/年度/起算日/廃棄可能年」をラベル化(起算日は作成日でなく上表の起算日で)
- ストップ条件を確認: 税務調査中・係争中・監査対応中の年度、欠損金の繰越がある年度(10年)、契約継続中のものは廃棄対象から外す
- 決裁を取る: 廃棄リストを税理士・社労士確認のうえ責任者決裁(このリスト自体を保存)
- 廃棄方法: 機密書類は溶解・シュレッダー。マイナンバー・個人情報を含むものは復元不可能な方法で(電子データは確実な消去)
よくある質問
Q1. 「7年」の領収書、実際にはいつ捨てられる?
A. 起算日が申告期限の翌日なので、例えば3月決算の2020年3月期分(申告期限2020年5月末)は2027年5月末まで。書類の日付からは実質8年前後残ることになります。
Q2. スキャンして紙は捨ててもいい?
A. 電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件(タイムスタンプまたは訂正削除履歴の残るシステム等)を満たせば可能です。要件を満たさない単なるPDF化では紙の廃棄はできません。導入は税理士に相談を。
Q3. 個人事業主も同じ年数?
A. 違います。青色申告の帳簿・決算関係は7年、請求書・見積書等は5年(消費税の課税事業者は請求書等7年)が基本で、会社法の10年はかかりません。
関連する早見表
- 収入印紙の金額早見表 — 契約書・領収書の作成時はこちら
- 文書保存年限早見表(姉妹サイト) — 書類名から根拠法つきで引く網羅版
出典(すべて官公庁の一次情報)
- 会社法432条・435条・318条・371条 — 会計帳簿・計算書類・議事録の10年
- 国税庁 タックスアンサー No.5930 帳簿書類等の保存期間 — 7年・欠損金10年
- 労働基準法109条・143条 — 労務書類の5年(当分の間3年)
※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。廃棄の可否の個別のご相談には回答できません。
最終更新: 2026-09-08