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同一労働同一賃金の説明義務 早見表(パート・有期・派遣)

パート・有期雇用の人から「なぜ正社員と待遇が違うのか」と聞かれたら、会社は説明しなければなりません(パートタイム・有期雇用労働法14条)。前提となる8条(均衡待遇)と9条(均等待遇)の違いと、いつ・何を説明するのかを整理しました。

本表は2026年度時点の短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)・労働者派遣法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

⚖️ 同一労働同一賃金 即答ボックス

8条は均衡待遇不合理な待遇差の禁止
9条は均等待遇差別的取扱いの禁止
14条は説明義務雇入れ時+求めがあったとき
適用は中小企業も含め全面施行済み2021年4月1日
説明を求めたことで不利益取扱いは禁止14条3項
比べる相手は同一企業内の通常の労働者他社とは比べない

表1: 8条と9条の違い

項目8条(均衡待遇)9条(均等待遇)
内容不合理な待遇差の禁止差別的取扱いの禁止
対象となる人すべての短時間労働者・有期雇用労働者職務の内容と職務の内容・配置の変更の範囲が通常の労働者と同じ短時間労働者・有期雇用労働者
求められること個々の待遇について、①職務の内容 ②職務の内容・配置の変更の範囲 ③その他の事情のうち、その待遇の性質および目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない短時間・有期雇用労働者であることを理由とした差別的取扱いをしてはならない
ポイント待遇ごとに判断する(基本給・賞与・手当・福利厚生などを一括りにしない)職務も配置の変更範囲も同じならそもそも差を設けられない

比較の対象は同一企業内の「通常の労働者」(いわゆる正社員・無期雇用フルタイム労働者)です。他社の水準と比べるものではありません。

表2: 14条の説明義務(いつ・何を)

場面説明すること区分
雇入れ時(14条1項)講ずることとしている雇用管理の改善措置の内容(賃金制度の内容、教育訓練、福利厚生施設の利用、通常の労働者への転換を推進するための措置 など)義務
本人から求めがあったとき(14条2項)①通常の労働者との待遇の相違の内容 ②その理由 ③待遇の決定にあたって考慮した事項義務
説明を求めたことに対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(14条3項)禁止

労働条件通知書に「相談窓口」(部署名・担当者職氏名・連絡先)を記載しておくと、求めがあったときの受け皿が明確になります。なお、短時間・有期雇用労働者に対しては、労働条件の明示事項として「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の明示も必要です(労働条件明示事項の早見表)。

表3: 待遇ごとの考え方(同一労働同一賃金ガイドラインの枠組み)

ガイドラインは、どのような待遇差が不合理で、どのような待遇差は不合理でないかの原則となる考え方と具体例を示しています。実務では「その手当は何のために払っているのか」から逆算するのが基本です。

待遇考え方の軸
基本給その性質・目的(職業経験・能力に応じて/業績・成果に応じて/勤続年数に応じて)ごとに、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給
賞与会社の業績等への貢献に応じて支給するものは、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給
役職手当役職の内容に対して支給するものは、同一の役職・責任には同一の支給
時間外・深夜・休日の割増率同一の割増率とする
通勤手当・出張旅費同一の支給
食事手当・単身赴任手当・地域手当その趣旨に照らして同一の支給
福利厚生施設(給食施設・休憩室・更衣室)同一の利用を認める
慶弔休暇・健康診断に伴う勤務免除と有給保障同一の付与
病気休職無期雇用の短時間労働者には同一の付与。有期雇用労働者には労働契約が終了するまでの期間を踏まえて付与
教育訓練現在の職務に必要な技能・知識を習得するためのものは、同一の職務内容であれば同一の実施

これらはガイドラインが示す原則的な考え方であり、個々の企業の事情によって結論は変わります。本表は判断を示すものではありません。自社の待遇差が不合理かどうかの検討は、社会保険労務士・弁護士にご相談ください。

表4: 派遣労働者の場合(2つの方式)

方式内容派遣先の役割
派遣先均等・均衡方式派遣先の通常の労働者との間で均等・均衡待遇を確保する比較対象労働者の待遇に関する情報を派遣元に提供する義務がある(提供しないと労働者派遣契約を締結できない)
労使協定方式派遣元で一定の要件を満たす労使協定を締結し、その協定にもとづいて待遇を決定する教育訓練・福利厚生施設(給食施設・休憩室・更衣室)に関する情報を提供する

派遣の期間制限や抵触日については派遣の3年ルール早見表をご覧ください。

よくある質問

Q1. 「パートだから通勤手当を出さない」は問題?

A. 通勤手当は通勤に要する費用を補填するという性質・目的の手当であり、ガイドラインでは短時間・有期雇用労働者にも通常の労働者と同一の支給をしなければならないとされています。日数に応じた支給方法とすることは、その趣旨に照らして合理的であれば差し支えないと整理されます。

Q2. 賞与を正社員だけに出すのは違法?

A. 一律に違法とは言えません。賞与の性質・目的(会社の業績等への貢献に応じた支給なのか、生活補填なのか等)と、職務の内容・配置の変更の範囲・その他の事情を考慮して、不合理と認められるかで判断されます。説明を求められたら、その理由を説明する義務があります(14条2項)。

Q3. 説明を口頭でしてもいい?

A. 方法は法定されていませんが、資料を活用し、口頭により説明することが基本とされています。説明すべき事項をすべて記載した資料を交付する方法でも差し支えありません。説明した日・内容・資料を記録に残すことをおすすめします。

Q4. 中小企業にも適用されている?

A. されています。パートタイム・有期雇用労働法は2021年(令和3年)4月1日に中小企業を含めて全面施行されました。

Q5. 定年後の再雇用者も対象?

A. 有期雇用で再雇用している場合は有期雇用労働者として本法の対象です。定年後の再雇用であることは8条の「その他の事情」として考慮され得ますが、それだけで待遇差がすべて正当化されるわけではありません(高年齢者雇用確保措置の早見表)。

Q6. 違反したらどうなる?

A. 罰則はありませんが、都道府県労働局長による助言・指導・勧告の対象で、勧告に従わない場合は企業名の公表があり得ます。また、行政ADR(紛争解決援助・調停)の対象であり、民事上は損害賠償請求の根拠になり得ます。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。自社の待遇差が不合理かどうかの判断にはお答えできません。所轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)・社会保険労務士・弁護士へ。

最終更新: 2026-09-16

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