簡易課税のみなし仕入率早見表(第1種90%〜第6種40%)
簡易課税は、実際の仕入れを集計せず売上税額 ×(1 − みなし仕入率)で納付税額を出す制度です。率は事業区分で決まり、卸売業90%から不動産業40%まで6段階。区分ごとの率と、課税売上高別の納付税額を先に計算しました。
本表は2026年度(令和8年)時点の消費税法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。
🧮 簡易課税 即答ボックス
表1: 事業区分とみなし仕入率
| 事業区分 | みなし仕入率 | 該当する事業 |
|---|---|---|
| 第1種事業 | 90% | 卸売業(購入した商品の性質・形状を変更しないで他の事業者に販売する事業) |
| 第2種事業 | 80% | 小売業(購入した商品の性質・形状を変更しないで販売する事業で第1種以外のもの)、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業) |
| 第3種事業 | 70% | 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業。ただし第1種・第2種に該当するものと、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く |
| 第4種事業 | 60% | 第1種・第2種・第3種・第5種・第6種以外の事業。具体的には飲食店業など |
| 第5種事業 | 50% | 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業を除く)。第1種から第3種までに該当する事業を除く |
| 第6種事業 | 40% | 不動産業 |
どの区分に当たるかの判定は、原則として課税資産の譲渡等ごとに行います(会社全体で一律に決めるのではありません)。第5種・第6種は、おおむね日本標準産業分類の大分類を基礎として判定します。
表2: 課税売上高別の納付税額(税率10%・単位: 円)
納付税額 = 売上税額 ×(1 − みなし仕入率)。下表は税抜の課税売上高に10%を掛けた売上税額をもとにした金額です(国税+地方消費税の合計)。
| 事業区分 | みなし仕入率 | 500万円 | 1,000万円 | 2,000万円 | 3,000万円 | 5,000万円 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1種(卸売業) | 90% | 50,000 | 100,000 | 200,000 | 300,000 | 500,000 |
| 第2種(小売業等) | 80% | 100,000 | 200,000 | 400,000 | 600,000 | 1,000,000 |
| 第3種(製造業等) | 70% | 150,000 | 300,000 | 600,000 | 900,000 | 1,500,000 |
| 第4種(飲食店業等) | 60% | 200,000 | 400,000 | 800,000 | 1,200,000 | 2,000,000 |
| 第5種(サービス業等) | 50% | 250,000 | 500,000 | 1,000,000 | 1,500,000 | 2,500,000 |
| 第6種(不動産業) | 40% | 300,000 | 600,000 | 1,200,000 | 1,800,000 | 3,000,000 |
※ すべて税率10%の取引のみと仮定した一般的な例示です。軽減税率8%の売上がある場合や、貸倒れ・返品がある場合は金額が変わります。
※ 基準期間の課税売上高が5,000万円を超えると簡易課税は使えないため、表の上限を5,000万円としています。
表3: 適用の要件と届出
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上規模の要件 | 基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下 |
| 届出の期限 | 「消費税簡易課税制度選択届出書」を、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出 |
| 継続適用 | いったん選択すると2年間は継続して適用する必要がある |
| やめるとき | 「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を、やめようとする課税期間の初日の前日までに提出 |
| 提出できない期間 | 調整対象固定資産(税抜100万円以上)を取得して一般課税で申告した場合など、一定期間は選択届出書を提出できない(消費税の納税義務判定早見表) |
| 2以上の事業を営む場合 | 原則は事業区分ごとに売上を区分して加重平均する。ただし1つの事業の課税売上高が全体の75%以上を占める場合は、その事業のみなし仕入率を全体に適用できる(75%ルール)。3種類以上の事業がある場合の特例もある |
| 区分していないとき | 事業ごとに区分していない売上は、その中でいちばん低いみなし仕入率が適用される |
2027年(令和9年)4月からの取扱い(法案の成立が前提)
令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品に係る消費税率が1%に引き下げられることに伴い、簡易課税にも特例が設けられる予定です。
- 計算方法の特例: 簡易課税を適用して申告する場合、業種区分にかかわらず、飲食料品の譲渡(1%対象)に係る売上税額と同額の仕入税額を計上する(その他の売上税額にみなし仕入率を乗じた額との合計を仕入税額控除)。2割特例・3割特例を適用する場合も同様
- 簡易課税から一般課税になるための届出の特例: 飲食料品の譲渡を行い簡易課税の適用を受けている事業者が、令和9年4月1日の属する課税期間中に「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出した場合、その課税期間から一般課税で申告できる。また、この2年間の継続適用要件は適用されない
この内容は「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)にもとづくもので、今後、法案が国会に提出され、可決・成立した場合のものです。詳細は飲食料品の消費税率引下げ早見表をご覧ください。
よくある質問
Q1. 課税売上1,000万円のサービス業なら納税はいくら?
A. 第5種事業(みなし仕入率50%)なので、売上税額100万円 ×(1 − 0.5)=50万円です(税率10%の取引のみの場合)。同じ売上でも卸売業(第1種90%)なら10万円、不動産業(第6種40%)なら60万円になります。
Q2. 卸売業と小売業はどう違う?
A. どちらも「購入した商品の性質・形状を変更しないで販売する事業」ですが、販売先が事業者なら第1種(卸売業・90%)、事業者以外(消費者)なら第2種(小売業・80%)です。同じ商品でも販売先で区分が変わるため、帳簿上で区分できるようにしておく必要があります。
Q3. 製造業だが加工賃だけを受け取っている場合は?
A. 第4種事業(60%)になります。第3種事業からは「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供」が除かれているためです。材料を自社で仕入れて製品を販売していれば第3種、材料支給を受けて加工だけ行っていれば第4種、という整理になります。
Q4. 届出を出し忘れた。期の途中から使える?
A. 使えません。「消費税簡易課税制度選択届出書」は適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出する必要があります(3月決算なら3月31日まで)。ただし、新たに事業を開始した課税期間などは、その課税期間の末日までの提出で適用できます。
Q5. 2割特例とはどちらが有利?
A. 有利・不利の判断は個々の売上構成・設備投資の予定によって変わるため、本表ではお答えできません。制度としては、2割特例は売上税額の8割を控除する(=みなし仕入率80%に相当)ものです。2割特例はインボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった方が対象で、令和8年9月30日を含む課税期間で終了します(インボイスの記載事項・経過措置)。具体的な選択は税理士にご相談ください。
Q6. 簡易課税でもインボイスの保存は必要?
A. 簡易課税では仕入税額を売上から計算するため、仕入税額控除のためのインボイスの保存は不要です。ただし、売手として交付するインボイスの義務は通常どおりあり、交付した写しの保存も必要です。
関連する早見表
出典(すべて官公庁の一次情報)
- 国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分 — 6区分とみなし仕入率・事業の意義(表1の出典)
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度 — 適用要件・届出・75%ルール(表3の出典)
- 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)[PDF] — 簡易課税の計算方法・届出の特例
- 消費税法37条(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)・消費税法施行令57条 — 本表の法定根拠
※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。
※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。事業区分の判定や簡易課税の選択の当否にはお答えできません。所轄の税務署・税理士へ。
最終更新: 2026-09-16