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電子帳簿保存法は何をどう保存する?3区分の要件早見表

電子帳簿保存法でいちばん誤解されているのは、3つの区分のうち義務なのは「電子取引データ保存」だけだという点です。紙でやりとりした請求書をデータ化する義務はありません。何が対象で、どの要件を満たす必要があり、要件を満たせないときにどうなるのかを区分ごとに並べました。

本表は2026年度(2026年9月)時点の電子帳簿保存法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

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義務なのは電子取引データ保存だけ他の2区分は任意
紙で届いた請求書データ化は不要紙のまま保存でよい
検索できるべき項目日付・金額・取引先ファイル名でも可
売上5,000万円以下なら検索機能は不要ダウンロードの求めに応じる
改ざん防止の最安手段事務処理規程国税庁にサンプルあり
要件を満たせないとき猶予措置事前申請は不要

表1: 3つの区分(義務なのはどれか)

区分対象義務/任意
① 電子帳簿等保存会計ソフト等で電子的に作成した帳簿・決算関係書類任意(紙に出力して保存してもよい)
② スキャナ保存紙で受け取った・作成した請求書や領収書などをスキャンした画像任意
③ 電子取引データ保存注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合義務

表2: 電子取引データ保存で満たすべき要件

要件満たし方
改ざん防止のための措置
(真実性の確保)
次のいずれか: ①改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る(国税庁HPにサンプルあり・システム費用が不要) ②タイムスタンプを付与 ③訂正・削除の履歴が残るシステム等での授受・保存
検索機能
(可視性の確保)
「日付・金額・取引先」で検索できること。専用システムがなくても次の方法で対応可: ①表計算ソフト等で索引簿を作成する ②規則的なファイル名を付す(例「20240331_110000_(株)霞商店.pdf」)
見読可能装置の備付けディスプレイやプリンタ等を備え付ける

税務調査の際に職員から電子取引データのダウンロードの求めがあった場合は、そのデータを提出します。

表3: 検索機能が不要になる場合

税務調査等の際に電子取引データの「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしている場合、次のいずれかに当たれば検索機能の全てが不要になります。

対象者内容
売上高が小さい保存義務者基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下の保存義務者(令和6年1月1日以後にやりとりするデータから。改正前は1,000万円以下)
書面を整理して出せる保存義務者電子取引データをプリントアウトした書面を、取引年月日その他の日付および取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしている保存義務者

表4: 要件どおりに保存できないときの「猶予措置」

次のイ・ロの両方を満たしていれば、改ざん防止や検索機能など保存時に満たすべき要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことができます。

要件内容
イ保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要)
ロ税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」およびプリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じることができるようにしている場合

※ 令和4年度税制改正で措置された「宥恕措置」は令和5年12月31日をもって廃止されています。宥恕措置ではデータの「ダウンロードの求め」に応じる必要はありませんでしたが、猶予措置では書面の提示・提出に加えてデータのダウンロードの求めにも応じる必要があります。ここが実務上いちばんの違いです。

表5: スキャナ保存(2024年1月1日以後の緩和点)

項目現在の取扱い
解像度・階調・大きさの情報保存が不要になりました。ただし読み取る際に守るべき解像度200dpi以上・原則としてカラー画像という要件自体は変更ありません
入力者等情報記録事項の入力を行う者やその監督者に関する情報を確認できるようにしておく要件は廃止(電子取引データ保存も同様)
帳簿との相互関連性重要書類に限定されました。重要書類=契約書・領収書・送り状・納品書等、資金や物の流れに直結・連動する書類。一般書類(見積書・注文書や納品書の写しなど、資金や物の流れに直結・連動しない書類)は相互関連性の確保が不要

表6: 優良な電子帳簿(過少申告加算税5%軽減)

一定の範囲の帳簿について、電子帳簿として保存するための要件(モニター・説明書等の備付けなど)に加えて次の3要件をすべて備えて保存していれば、後から過少申告が判明しても過少申告加算税が5%軽減されます(あらかじめ届出書の提出が必要)。

  1. 訂正削除履歴の保存
  2. 帳簿間の相互関連性
  3. 日付・金額・相手方による検索機能

対象となる帳簿の範囲は、申告所得税・法人税について次のものに限定されています(消費税について適用を受ける場合の範囲に変更はありません)。

記載事項帳簿の具体例
売上(加工その他の役務の給付等売上げと同様の性質を有するものを含む)その他収入に関する事項売上帳
仕入その他経費(法人税は、賃金・給料・法定福利費・厚生費を除く)に関する事項仕入帳、経費帳、賃金台帳(所得税のみ)
売掛金(未収加工料その他売掛金と同様の性質を有するものを含む)に関する事項売掛帳
買掛金(未払加工料その他買掛金と同様の性質を有するものを含む)に関する事項買掛帳
手形(融通手形を除く)上の債権債務に関する事項受取手形記入帳、支払手形記入帳
その他の債権債務に関する事項(当座預金を除く)貸付帳、借入帳、未決済項目に係る帳簿
有価証券(商品であるものを除く)に関する事項(法人税のみ)有価証券受払い簿(法人税のみ)
減価償却資産に関する事項固定資産台帳
繰延資産に関する事項繰延資産台帳

※ 仕訳帳・総勘定元帳は上記に加えて必要です。この範囲の見直しは、令和6年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用されています。

よくある質問

Q1. 紙で届いた請求書をスキャンして捨ててもいい?

A. スキャナ保存の要件を満たせば可能ですが、スキャナ保存は任意です。要件を満たさないままスキャンして紙を捨てると保存義務違反になります。紙のまま保存するのがいちばん確実です。義務なのは、データでやりとりしたものを電子のまま保存することだけです。

Q2. メールに添付されたPDFの請求書を印刷して紙で保存していたら?

A. データでやりとりしたものなので、電子データとしての保存が必要です(印刷して紙で保存するだけでは要件を満たしません)。ただし表4の猶予措置の要件(相当の理由があり、ダウンロードの求めと書面の提示・提出の求めの両方に応じられる)を満たしていれば、要件に沿った対応をせずデータを単に保存しておくことができます。

Q3. 専用システムを入れないと対応できない?

A. できます。改ざん防止は事務処理規程(国税庁HPにサンプルあり)、検索は索引簿または規則的なファイル名で対応可能です。ファイル名は「日付_金額_取引先」の形にして特定のフォルダに集約しておけば、OSのフォルダ検索が使えます。

Q4. うちは売上3,000万円。検索できるようにしなくていい?

A. 基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下で、税務調査等の際にダウンロードの求めに応じられるようにしているなら、検索機能は不要です。ただし改ざん防止の措置と見読可能装置の備付けは必要です。検索機能だけが免除される点に注意してください。

Q5. 猶予措置はいつまで使える?

A. 廃止された宥恕措置(令和5年12月31日まで)と違い、猶予措置には期限が定められていません。ただし「相当の理由」があることが前提で、システム整備が済んでいるのに対応しないケースは該当しないとされています。恒久的に何もしなくてよい制度ではない点にご注意ください。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。自社のデータが電子取引に当たるか、猶予措置の「相当の理由」に当たるかといった個別の判断には回答できません。所轄の税務署・税理士へ。

最終更新: 2026-09-13

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