無期転換はいつから申し込める?5年ルールの早見表
有期契約が通算5年を超えて更新されたとき、労働者は無期労働契約への転換を申し込めます(労働契約法18条)。会社は断れません。契約期間ごとにいつ申込権が発生するのか、そして空白期間で通算がリセットされるクーリングの条件を表にしました。契約更新の管理台帳を作るときの基準にどうぞ。
本表は2026年度時点の労働契約法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。
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表1: 契約期間別 いつ申込権が発生するか
| 1回の契約期間 | 通算5年を超えるのは | 申込みができる期間 |
|---|---|---|
| 1年 | 5回更新して6年目の契約に入ったとき | その6回目の契約期間の初日から末日まで |
| 6か月 | 10回更新して11回目の契約(通算5年6か月)に入ったとき | その11回目の契約期間中 |
| 3年 | 1回更新して2回目の契約(通算6年)に入ったとき | その2回目の契約期間中 |
| 5年 | 1回更新して2回目の契約(通算10年)に入ったとき | その2回目の契約期間中 |
- 通算契約期間のカウントは、平成25年(2013年)4月1日以後に開始する有期労働契約が対象です。平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算契約期間に含めません。
- 通算5年を超えて契約更新した労働者が、その契約期間中に無期転換の申込みをしなかったときは、次の更新以降でも申込みができます。権利は消えません。
- 1回の契約期間が3年を超える有期労働契約の締結が認められるのは、高度の専門的知識等を有する労働者や、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約等に限られます。
表2: クーリング(通算がリセットされる空白期間)
カウントの対象となる契約期間が1年以上の場合
契約がない期間が6か月以上あるときは、その空白期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含めません(クーリング)。6か月未満の場合は前後の期間を通算します(クーリングされません)。
カウントの対象となる契約期間が1年未満の場合
| カウントの対象となる有期労働契約の契約期間 | クーリングされる「契約がない期間」 |
|---|---|
| 2か月以下 | 1か月以上 |
| 2か月超〜4か月以下 | 2か月以上 |
| 4か月超〜6か月以下 | 3か月以上 |
| 6か月超〜8か月以下 | 4か月以上 |
| 8か月超〜10か月以下 | 5か月以上 |
| 10か月超〜 | 6か月以上 |
「カウントの対象となる契約期間」は、2つ以上の有期労働契約があるときは通算した期間で見ます。クーリングされると、その次の有期労働契約の契約期間から通算契約期間のカウントが再度スタートします。無期転換を避けるためだけに空白期間を設ける運用は、雇止めの有効性を争われる要因になります。
表3: 申込みから転換までの効果
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 申込み | 通算契約期間が5年を超える場合、その契約期間の初日から末日までの間に無期転換の申込みができる。申込むかどうかは労働者の自由。口頭でも法律上は有効だが、後日の争いを避けるため書面での申込み・受理書面の交付が推奨される |
| ② 転換 | 申込みをすると使用者が承諾したものとみなされ、無期労働契約がその時点で成立する。無期に転換されるのは、申込み時の有期労働契約が終了する翌日から |
| ③ 無期労働契約 | 労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一。「別段の定め」(労働協約・就業規則・個々の労働契約)により変更は可能だが、職務の内容などが変更されないにもかかわらず労働条件を低下させることは望ましくないとされている |
| ④ 更新 | 無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできません(そのような意思表示は無効と解される) |
②の時点で使用者が雇用を終了させようとする場合は、無期労働契約を解約(解雇)する必要があり、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない場合は権利濫用として無効になります。②より前に契約関係を終了させようとする場合は有期労働契約期間中の解雇となるため、「やむを得ない事由」がなければ解雇できません。
会社側の実務でやること
- 契約更新の管理台帳をつくる: 有期契約者ごとに、初回契約日・契約期間・更新回数・通算期間・申込権の発生予定日を管理する。
- 更新のたびに労働条件を明示する: 2024年4月から、更新上限の有無と内容、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示が必要です(労働条件明示事項の早見表)。
- 転換後の労働条件を先に決めておく: 別段の定めをしないと直前の有期契約と同一になります。定年や職務の限定など、無期契約に必要な条件は就業規則等であらかじめ明確化しておきます(定年の定めがないと、事実上定年のない無期契約になります)。
- 更新上限を新設・短縮する場合は事前に理由を説明する。
よくある質問
Q1. 無期転換は「正社員になる」ということ?
A. 違います。契約期間の定めがなくなるだけで、賃金・職務・勤務地などの労働条件は別段の定めがない限り直前の有期契約と同じです。正社員と同じ処遇にする義務はありません(ただし、職務内容が同じなら不合理な待遇差の禁止の問題は別途生じます)。
Q2. 5年を超えた契約期間中に申し込まなかったら権利は消える?
A. 消えません。次の更新以降でも申込みができます。したがって、無期転換申込権が発生した後の更新では、その都度「申込みができる旨」の明示が必要になります。
Q3. 派遣社員や出向者はどう数える?
A. 「同一の使用者」との契約かどうかで判断します。派遣労働者の場合は派遣元との契約が通算されます(派遣先は使用者ではありません)。事業場が変わっても同じ法人であれば通算されます。
Q4. 特例で5年を超えても転換しないケースがある?
A. あります。専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法により、①一定の年収要件を満たす高度専門職(一定の期間内に完了するプロジェクトに従事する場合)②定年後に引き続き雇用される高齢者 について、都道府県労働局長の認定を受けた事業主のもとでは、無期転換申込権が発生しない特例があります。認定を受けていなければ特例は適用されません。
Q5. 平成25年より前から働いている人は?
A. 通算契約期間のカウントは平成25年(2013年)4月1日以後に開始する有期労働契約からです。それ以前から働いていても、同日以後に開始した契約から数えます。したがって、多くの企業では平成30年(2018年)4月以降に申込権が発生し始めました。
関連する早見表
出典(すべて官公庁の一次情報)
- 厚生労働省「労働契約法改正のあらまし 有期労働契約の新しいルールができました」[PDF] — 表1・表2・表3の根拠(申込みの仕組み・クーリングの一覧・転換の効果)
- 厚生労働省 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト
- 厚生労働省 無期転換ルールについて
- 労働契約法18条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)・19条(雇止め法理)/専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法 — 本表の法定根拠
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※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。個別の契約が通算されるか、雇止めが有効かといった判断には回答できません。所轄の労働局・労働基準監督署・社会保険労務士へ。
最終更新: 2026-09-13