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健康診断はいつ・誰に必要?種類別の実施義務早見表

健康診断は「年1回、全員に」で片づくものではありません。雇入れのとき、深夜業などの特定業務、海外派遣——種類ごとに対象者と時期が別に定められています。誰に・いつ・何を実施し、そのあと何をするかを、労働安全衛生規則の条文順に並べました。

本表は2026年度時点の労働安全衛生法・同規則にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

🩺 健康診断 即答ボックス

対象は誰?常時使用する労働者週の労働時間が通常の3/4以上
定期健診の頻度1年以内ごとに1回安衛則44条
深夜業がある人6か月以内ごとに1回配置替えの際にも
費用は誰が払う?事業者が負担法定の義務のため
労基署への報告常時50人以上定期健診結果報告書
結果の保存個人票を5年間安衛則51条

表1: 一般健康診断の種類・対象・実施時期

健康診断の種類対象となる労働者実施時期
雇入時の健康診断(安衛則43条)常時使用する労働者雇入れの際
定期健康診断(安衛則44条)常時使用する労働者(次の特定業務従事者を除く)1年以内ごとに1回
特定業務従事者の健康診断(安衛則45条)安衛則13条1項2号に掲げる業務(深夜業、著しく暑熱・寒冷な場所、坑内、重量物の取扱い等)に常時従事する労働者当該業務への配置替えの際、および6か月以内ごとに1回
海外派遣労働者の健康診断(安衛則45条の2)海外に6か月以上派遣する労働者海外に6か月以上派遣する際、および帰国後国内業務に就かせる際
給食従業員の検便(安衛則47条)事業に附属する食堂・炊事場における給食の業務に従事する労働者雇入れの際、配置替えの際

※ 「常時使用する労働者」とは、契約期間が1年以上(予定を含む)で、1週間の労働時間が同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上の労働者です。パート・アルバイトでもこの基準を満たせば対象になります(4分の3未満でも2分の1以上であれば実施が望ましいとされています)。

表2: 雇入時健診と定期健診の検査項目

#雇入時の健康診断(43条)定期健康診断(44条)
1既往歴及び業務歴の調査既往歴及び業務歴の調査
2自覚症状及び他覚症状の有無の検査自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査身長※、体重、腹囲※、視力及び聴力の検査
4胸部エックス線検査胸部エックス線検査※及び喀痰検査※
5血圧の測定血圧の測定
6貧血検査(血色素量及び赤血球数)貧血検査※
7肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)肝機能検査※
8血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)血中脂質検査※
9血糖検査血糖検査※
10尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)尿検査
11心電図検査心電図検査※

※のついた項目は、定期健康診断に限り、基準に基づき医師が必要でないと認めるときに省略できます(雇入時の健診では省略できません)。主な省略基準は次のとおりです。

項目医師が必要でないと認めるときに省略できる者
身長20歳以上の者
腹囲40歳未満(35歳を除く)の者/妊娠中の女性等で腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された者/BMIが20未満の者/BMIが22未満で自ら腹囲を測定し申告した者
胸部エックス線検査40歳未満のうち、5歳刻みの節目年齢(20歳・25歳・30歳・35歳)でなく、感染症法で結核に係る定期健診の対象とされている施設等で働いておらず、じん肺法で3年に1回のじん肺健診の対象でもない者
喀痰検査胸部エックス線検査を省略された者/胸部エックス線検査で病変・結核発病のおそれがないと診断された者
貧血・肝機能・血中脂質・血糖・心電図35歳未満の者および36〜39歳の者

「医師が必要でないと認めるとき」とは自覚症状・他覚症状、既往歴等を勘案して医師が総合的に判断することをいい、年齢だけで機械的に決まるものではありません。

2027年(令和9年)4月1日からの項目改正

2026年度中に実施する健診は現行の項目です。健診機関のコース内容と、2027年4月以降の見積りを早めに確認しておくと切り替えがスムーズです。

表3: 健診を実施したあとにやること(6つ)

やること内容根拠
1. 結果の記録健康診断個人票を作成し、定められた期間(一般健診は5年間)保存する安衛法66条の3・安衛則51条
2. 医師等からの意見聴取異常の所見がある労働者について、必要な措置を医師に聞く(健診から3か月以内)安衛法66条の4
3. 事後措置医師の意見を勘案し、必要があれば作業の転換・労働時間の短縮等の措置を講じる安衛法66条の5
4. 本人への通知健康診断の結果を労働者に通知する(所見の有無にかかわらず全員)安衛法66条の6
5. 保健指導特に健康の保持に努める必要がある労働者に、医師・保健師による保健指導を行うよう努める(努力義務)安衛法66条の7
6. 労基署への報告常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断結果報告書を遅滞なく所轄労基署へ(特殊健診の結果報告は人数にかかわらず全事業者)安衛法100条・安衛則52条

表4: 特殊健康診断など(有害業務がある場合)

区分主な対象業務実施時期
特殊健康診断有機溶剤業務(有機則29条)/鉛業務(鉛則53条)/四アルキル鉛(四アルキル鉛則22条)/特定化学物質(特化則39条)/高圧室内・潜水(高圧則38条)/放射線業務(電離則56条)/除染等業務(除染則20条)/石綿(石綿則40条)雇入れ時、配置替えの際、および原則6か月以内ごとに1回
じん肺健康診断常時粉じん作業に従事する労働者・従事したことのある管理2/管理3の労働者管理区分に応じて1〜3年以内ごとに1回
歯科医師による健康診断塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・弗化水素・黄りんその他歯やその支持組織に有害な物のガス・蒸気・粉じんを発散する場所での業務(安衛則48条)雇入れ時、配置替えの際、および6か月以内ごとに1回

※ このほか、VDT(情報機器)作業・騒音作業・重量物取扱い業務などについては、指針・通達で特定の項目の健診を実施するよう求められています。該当の有無は所轄労働基準監督署へ確認してください。

よくある質問

Q1. パート・アルバイトにも健康診断は必要?

A. 契約期間が1年以上(更新により1年以上使用される見込みを含む)で、1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3以上なら対象です。4分の3未満でも2分の1以上なら実施が望ましいとされています。週30時間のパートが多い職場では、正社員と同じ扱いになる人が出てくる点に注意してください。

Q2. 費用と、受診に要した時間の賃金は?

A. 健診の費用は事業者負担です(法で義務づけられた実施だから)。受診時間の賃金は、一般健康診断については労使協議で定めるべきものとされ、支払うことが望ましいとされています。一方、特殊健康診断は労働時間として扱い賃金の支払いが必要です(昭47.9.18 基発602号)。

Q3. 従業員が受診を拒否したら?

A. 労働者にも受診義務があります(安衛法66条5項)。ただし、労働者は会社が指定した医師以外の医師の健診を受け、その結果を証明する書面を会社に提出することもできます。事業者が健診を実施しなかった場合は50万円以下の罰金の対象です(安衛法120条)。

Q4. 従業員が50人未満なら報告は不要?

A. 定期健康診断結果報告書の提出は常時50人以上の事業場が対象です。ただし50人未満でも健診の実施・記録・通知の義務はなくなりません。また特殊健康診断の結果報告は人数を問わず全事業者が対象です。判定は会社全体ではなく事業場(場所)ごとに行います。

Q5. 入社直前に受けた健診があれば雇入時健診を省略できる?

A. 医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者が、その結果を証明する書面を提出したときは、その項目に相当する項目を省略できます(安衛則43条ただし書)。新卒採用の学校健診や、転職前に受けた定期健診の結果が使えることがあります。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。健康診断の項目・判定・事後措置の医学的な内容については産業医・健診機関へ、法令の該当性は所轄労働基準監督署へご確認ください。個別のご相談には回答できません。

最終更新: 2026-09-13

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