変更登記の期限早見表(2週間以内・過料100万円)
登記した事項に変更が生じたら、2週間以内に本店所在地で変更の登記をしなければなりません(会社法915条1項)。怠ると、登記の申請を怠った代表者等が裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(976条1号)。特に忘れられがちなのが役員の任期満了にともなう「重任」の登記です。
本表は2026年度時点の会社法・一般社団法人及び一般財団法人に関する法律にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。
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表1: 主な変更登記と期限
いずれも変更が生じた日から2週間以内(本店所在地)が原則です。
| 変更の内容 | 起算点(いつから2週間か) |
|---|---|
| 役員の変更(就任・退任・重任・辞任・死亡) | 株主総会での選任日・就任承諾日、任期満了日など |
| 代表取締役の就任・退任・住所変更 | 同上/住所を移転した日 |
| 本店移転 | 本店移転を決定し、実際に移転した日(管轄が変わる場合は旧本店所在地を経由して申請) |
| 商号の変更 | 定款変更の効力発生日 |
| 目的の変更 | 同上 |
| 資本金の額の変更(増資・減資) | 払込期日・効力発生日 |
| 公告方法の変更 | 定款変更の効力発生日 |
| 発行可能株式総数の変更 | 同上 |
| 支店の設置・移転・廃止 | 設置・移転・廃止した日 |
登記は法務局(登記所)に申請します。登録免許税が別途かかるほか、変更内容によって添付書類(株主総会議事録、取締役会議事録、就任承諾書、株主リストなど)が異なります。
表2: 役員の任期(ここを過ぎると登記懈怠になる)
| 役員 | 原則の任期 | 伸長・短縮 |
|---|---|---|
| 取締役(株式会社) | 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで | 定款または株主総会の決議で短縮可。公開会社でない株式会社は定款で選任後10年以内まで伸長できる |
| 監査役(株式会社) | 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで | 公開会社でない株式会社は定款で選任後10年以内まで伸長できる |
| 理事(一般社団法人) | 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで | 定款または社員総会の決議で短縮可 |
| 監事(一般社団法人) | 選任後4年以内…定時社員総会の終結の時まで | 定款で選任後2年以内を限度に短縮可 |
| 評議員(一般財団法人) | 選任後4年以内…定時評議員会の終結の時まで | 定款で選任後6年以内まで伸長できる |
※ 「公開会社」とは、発行する株式の全部または一部について譲渡制限の定款の定めがない株式会社のことです。株式を市場に公開しているかどうかは関係ありません。中小企業の多くは「公開会社でない株式会社」に当たり、任期を10年にできます。
※ 代表取締役の地位は取締役の地位に基づくため、取締役の任期が満了すると代表取締役も退任します。
表3: 「再任だから登記は不要」は誤り(重任登記)
| ケース | 登記 | 理由 |
|---|---|---|
| 任期満了後、間を置かずに同じ人を再び選任した | 必要(「重任」として登記) | 任期満了によりいったん退任し、再び就任するため、役員の登記事項に変更が生じている |
| 任期満了から2週間を過ぎて登記した | 登記懈怠 | 株式会社の場合、役員の任期満了から2週間以内に登記が必要。過料の対象になり得る |
| 定時株主総会を開いていない(議事録がない) | — | 任期満了の時期は定時株主総会の終結の時で判定されるため、総会を開いていなくても任期は満了します |
表4: みなし解散(登記を放置した場合)
| 項目 | 株式会社 | 一般社団法人・一般財団法人 |
|---|---|---|
| 対象 | 最後の登記から12年を経過している会社(休眠会社) ※特例有限会社は含まれません | 最後の登記から5年を経過している法人(休眠一般法人) |
| 公告 | 毎年10月頃、法務大臣による官報公告が行われ、対象法人に管轄登記所から通知書が送付される。令和8年度は2026年10月15日(木)に公告と通知書の発送が行われ、この日の時点で上の対象に当たる会社・法人が対象 | |
| 期限 | 公告から2か月以内に、①必要な登記申請 または ②「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする。令和8年度は2026年12月15日(火)まで | |
| しなかった場合 | その2か月の期間満了の時に解散したものとみなされ、登記官が職権で解散の登記をする(会社法472条、一般法人法149条・203条)。令和8年度は2026年12月16日(水)付けで解散したものとみなされる | |
| その後 | みなし解散の登記後であっても、3年以内に限り、株主総会(社員総会)の特別決議によって会社を継続することができます | |
※ 登記所からの通知が何らかの理由で届かない場合でも、公告から2か月以内に手続をしないときは、みなし解散の登記をする手続が進められます。
※ 届出または登記申請をした場合であっても、それ以前の登記懈怠については、裁判所から過料に処せられる可能性があります。
よくある質問
Q1. 過料はいくらくらい?誰が払う?
A. 会社法976条1号により100万円以下の過料で、登記の申請を怠った代表者等(個人)が裁判所から処されます。会社の経費ではなく個人負担です。実際の金額は懈怠の期間や事情により裁判所が決定します。過料は行政罰であり、前科にはなりません。
Q2. 任期を10年にすれば登記の手間が減る?
A. 公開会社でない株式会社なら定款で選任後10年以内まで伸長でき、重任登記の頻度は下げられます。ただし、任期途中で役員を交代させたい場合に解任すると損害賠償の問題が生じ得ること、10年に一度の登記を忘れやすいこと(結果としてみなし解散に近づくこと)はトレードオフです。
Q3. 引っ越したら代表取締役の住所変更登記は必要?
A. 必要です。代表取締役等の住所は登記事項であり、変更から2週間以内に登記します。なお、一定の要件のもとで登記事項証明書等における代表取締役等の住所の一部を非表示とする措置があります。詳しくは法務局にご確認ください。
Q4. 本店移転の登記はどこに出す?
A. 同一の登記所の管轄内での移転であればその登記所に、管轄が変わる移転であれば旧本店所在地を管轄する登記所に、新旧の申請書をあわせて提出します(旧管轄を経由)。期限はいずれも2週間以内です。移転後は税務署・都道府県・市区町村・年金事務所・労働基準監督署・ハローワークへの異動届も必要になります。
Q5. 登記を放置していた。今からでも申請できる?
A. できます。むしろ放置を続けるほど過料の額が大きくなる可能性があり、みなし解散のリスクも高まります。必要な議事録がない場合の対応も含めて、司法書士にご相談ください。
Q6. 決算のたびに登記は必要?
A. 決算そのものでは登記は発生しません。ただし、定時株主総会で役員の任期が満了する年は重任登記が必要です。決算のスケジュールと合わせて管理してください(決算月別 申告期限カレンダー)。
関連する早見表
出典(すべて官公庁の一次情報)
- 法務省「役員の変更の登記を忘れていませんか? 再任の方も必要です」 — 2週間以内・100万円以下の過料・役員の任期(表2・表3の出典)
- 法務省「休眠会社・休眠一般法人の整理作業について」 — 公告から2か月・みなし解散・会社継続3年(表4の出典)
- 法務省「令和8年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について」 — 12年・5年の対象範囲、令和8年度の公告日(2026年10月15日)・期限(12月15日)・みなし解散の日(12月16日)
- 法務局「商業・法人登記の申請書様式」 — 申請書の様式と記載例
- 会社法332条(取締役の任期)・336条(監査役の任期)・472条(休眠会社のみなし解散)・915条(変更の登記)・976条(過料)/一般社団法人及び一般財団法人に関する法律66条・67条・149条・174条・177条・203条・303条・342条 — 本表の法定根拠
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※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。登記申請の可否・必要書類の個別のご相談にはお答えできません。管轄の法務局・司法書士へ。
最終更新: 2026-10-19