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変形労働時間制の比較早見表(1か月・1年・1週間・フレックス)

繁忙期と閑散期の差を、割増賃金を増やさずに吸収する仕組みが変形労働時間制です。ただし制度ごとに手続き(労使協定か就業規則か、届出が要るか)と上限がまったく違います。4つの制度を並べて比較できるようにしました。

本表は2026年度時点の労働基準法にもとづく一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。

📆 変形労働時間制 即答ボックス

共通の考え方は平均して週40時間期間全体の総枠で判定
1年単位の労働日数は年280日まで対象期間3か月超の場合
1年単位の1日上限は10時間・週52時間1か月単位には上限なし
連続勤務は原則6日まで特定期間なら最長12日
1年365日の総枠は2,085.71時間40時間×365÷7
届出が要るのは労使協定で入れる場合1か月単位の就業規則型は不要

表1: 4つの制度の比較

項目1か月単位
(32条の2)
1年単位
(32条の4)
1週間単位の非定型的
(32条の5)
フレックスタイム制
(32条の3)
期間1か月以内1か月超1年以内(3か月・6か月なども可)1週間清算期間3か月以内
導入の手続き労使協定または就業規則等労使協定(必須)労使協定(必須)就業規則等 + 労使協定
労基署への届出労使協定で導入した場合は必要(就業規則で導入した場合は就業規則の届出のみ)必要必要清算期間が1か月を超える場合は必要(1か月以内なら不要)
1日の労働時間の限度定めなし10時間10時間定めなし(労働者が始業・終業時刻を決定)
1週の労働時間の限度定めなし52時間—清算期間1か月超の場合、1か月ごとに週平均50時間以内
労働日数の限度定めなし年280日(対象期間3か月以内なら制限なし)—定めなし
連続労働日数定めなし原則6日(特定期間は最長12日)—定めなし
対象となる事業場制限なし制限なし常時使用する労働者が30人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店制限なし
労働日・労働時間の特定あらかじめ特定が必要あらかじめ特定が必要(1か月以上に区分する場合は各期間の初日の30日前までに書面で特定)各週の開始する前に書面で通知特定不要(始業・終業時刻を労働者が決める)

※ 裁量労働制(専門業務型・企画業務型)と事業場外みなし労働時間制は「みなし労働時間制」であって変形労働時間制ではありません。実労働時間ではなく、定めた時間を労働したとみなす仕組みで、要件・手続きも別です。

表2: 対象期間の「所定労働時間の総枠」(先計算)

変形労働時間制では、対象期間を平均して1週40時間を超えない範囲で各日の所定労働時間を定めます。総枠は40時間 × 対象期間の暦日数 ÷ 7です。

対象期間(暦日数)所定労働時間の総枠の上限
28日(2月)160.00時間
29日(うるう年の2月)165.71時間
30日171.42時間
31日177.14時間
92日(3か月)525.71時間
122日(4か月)697.14時間
183日(6か月)1,045.71時間
365日(1年)2,085.71時間
366日(うるう年の1年)2,091.42時間

小数第3位以下は切り捨てて表示しています。この総枠を超えて労働させた時間は、時間外労働として割増賃金の対象です。

表3: 1日の所定労働時間から逆算する年間休日日数(1年単位)

1日の所定労働時間を一定とした場合、1週平均40時間をクリアするために必要な年間休日日数です。

1日の所定労働時間必要な年間休日日数(365日の年)必要な年間休日日数(366日の年)
8時間00分105日105日
7時間45分96日97日
7時間30分87日88日

必要な年間休日日数 =(1日の所定労働時間×7 − 40)÷(1日の所定労働時間×7)× 365日(366日)。小数点以下は切り上げます。
1日の所定労働時間が7時間26分の場合は年間の所定労働日数が280日の限度を超えるため、1日の所定労働時間は7時間27分が限度になります(1年365日の場合)。年間労働日数を280日以下にするのであれば7時間26分以下とすることも可能です。

1年単位の変形労働時間制で特に間違えやすい3点

  1. 週48時間を超える週の制限(対象期間が3か月を超える場合)
    ①対象期間中に、週48時間を超える所定労働時間を設定するのは連続3週以内にすること
    ②対象期間を初日から3か月ごとに区切った各期間において、週48時間を超える所定労働時間を設定した週の初日の数が3以内であること
    (この「週」は対象期間の初日の曜日を起算とする7日間です)
  2. 特定期間の連続労働日数
    「特定期間」(労使協定で対象期間のうち特に業務が繁忙な時期として定めた期間)を設ければ、連続労働日数を1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)にできます。ただし対象期間の相当部分を特定期間とする労使協定は法の趣旨に反し認められず、いったん協定した特定期間を対象期間の途中で変更することも認められません。
  3. 前年度に1年単位の協定がある場合の日数の制限
    旧協定より1日または1週間の労働時間を長く定め、かつ1日9時間または1週48時間を超えることとしたときは、280日または「旧協定の労働日数から1日を減じた日数」のうちいずれか少ない日数としなければなりません。

よくある質問

Q1. 変形労働時間制にすれば残業代は出さなくていい?

A. 違います。あらかじめ定めた所定労働時間を超えて働かせれば時間外労働です。1年単位の場合、①1日8時間(協定で8時間超を定めた日はその時間)を超えた時間 ②1週40時間(協定で40時間超を定めた週はその時間)を超えた時間 ③対象期間の法定労働時間の総枠を超えた時間、が時間外労働になります。36協定も必要です(36協定の上限規制早見表)。

Q2. 1か月単位は就業規則だけで導入できる?

A. できます。1か月単位の変形労働時間制は労使協定または就業規則その他これに準ずるもので導入できます。就業規則で導入する場合、労使協定の届出は不要です(就業規則自体の届出は常時10人以上の事業場で必要。就業規則の記載事項と届出)。一方、1年単位と1週間単位は労使協定が必須で、届出も必要です。

Q3. 1年単位で、途中から勤務日を変更できる?

A. 原則としてできません。対象期間の全期間にわたってあらかじめ労働日と労働日ごとの労働時間を特定することが要件です。ただし対象期間を1か月以上の期間に区分した場合は、最初の期間を除く各期間について、その期間の始まる少なくとも30日前に、過半数組合(なければ過半数代表者)の同意を得て書面で定めることができます。

Q4. フレックスタイム制で清算期間を3か月にするときの注意は?

A. ①労使協定を労働基準監督署に届け出る必要があります(1か月以内なら不要) ②清算期間全体の総枠に加えて、1か月ごとの週平均が50時間を超えないことが必要で、超えた分はその月の時間外労働になります。

Q5. 変形労働時間制でも休憩・休日のルールは同じ?

A. 同じです。休憩は労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上(労基法34条)、休日は毎週1日または4週4日(35条)が必要です。妊産婦が請求した場合は変形労働時間制でも法定労働時間を超えて労働させることはできません(66条1項)。育児や介護を行う者、職業訓練を受ける者などへの配慮も求められます。

Q6. 年間休日105日は法律で決まっている?

A. 「年間休日105日」という法定のルールがあるわけではありません。1日8時間で1週平均40時間を満たそうとすると、結果として年間105日の休日が必要になるという計算上の帰結です(表3)。所定労働時間が7時間45分なら96日、7時間30分なら87日で足ります。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。個別の制度設計・協定の当否にはお答えできません。所轄の労働基準監督署・社会保険労務士へ。

最終更新: 2026-09-15

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