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給与計算の端数処理の早見表——社会保険料・雇用保険料・残業代・住民税・源泉所得税の端数と計算例

給与計算で出る1円未満・100円未満の端数を、どの資料の決まりで、切り捨てるのか切り上げるのかを計算例で引ける早見表です。社会保険料・雇用保険料の本人負担分は日本年金機構・協会けんぽ・労働局の案内、残業代(割増賃金)は昭和63年3月14日基発第150号(労働局の資料で確認)、住民税の特別徴収は地方税法、源泉所得税は国税庁の資料にもとづいて整理しました(2026年10月時点)。

🧮 端数処理 即答ボックス

社会保険料の折半額 12,345.50円12,345円を控除給与から控除するときは50銭以下を切り捨て
同じ額を本人が現金で払うとき12,346円50銭以上は切り上げ
雇用保険料 賃金245,700円1,228円を控除245,700円×5/1,000=1,228.50円(令和8年度・一般の事業)
残業代の1時間あたりの賃金 1,568.75円1,569円50銭以上は1円に切り上げ(昭和63年基発第150号で、違反として扱わないとされる処理)
1か月の残業の合計 20時間40分21時間30分未満切り捨て・30分以上切り上げなら違反として扱わない(基発第150号)。日ごとの切り捨てはできない
住民税 年額120,500円6月10,500円・7月以降10,000円100円未満の端数は6月分にまとめる

表1: 給与計算の端数処理の一覧

何の端数を、どの単位で、どう処理するかと、その根拠の資料です。社会保険料・雇用保険料の本人負担分は、給与から控除するのか、本人が現金で払うのかで50銭ちょうどの扱いが変わります。

対象端数の単位処理根拠
健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の被保険者負担分(折半額)1円未満給与から控除: 50銭以下は切り捨て、50銭を超えると切り上げ
本人が現金で払う: 50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げ
事業主と被保険者の間に特約があれば、特約による
協会けんぽ 保険料額表の注記/日本年金機構「保険料の計算方法について」
雇用保険料の被保険者負担分(賃金×被保険者負担率)1円未満給与から控除: 50銭以下は切り捨て、50銭1厘以上は切り上げ
本人が現金で払う: 50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げ
慣習的な取扱い等の特約があれば、その取扱い(従来どおりの切り捨ても可)
兵庫労働局「労働保険料の計算方法」
賞与の健康保険料・厚生年金保険料1,000円未満賞与額の1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料率を掛ける。折半額の端数は1段目と同じ協会けんぽ 保険料額表の注記/日本年金機構
事業所が納める保険料(納入告知額)1円未満被保険者ごとの保険料額を合計し、合計の1円未満を切り捨て(被保険者ごとには端数処理しない)。事業主負担分は、納入告知額から被保険者負担分の合計を差し引いた額日本年金機構「保険料の計算方法について」/協会けんぽ
残業代: 1時間あたりの賃金・1時間あたりの割増賃金1円未満50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げ昭和63年3月14日基発第150号(愛知労働局の資料)
残業代: 1か月の時間外労働・休日労働・深夜業の時間数(それぞれの合計)1時間未満30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げ。日ごとの端数処理はできない同上(愛知労働局・山口労働局の資料)
残業代: 1か月の時間外労働・休日労働・深夜業の割増賃金の総額(それぞれ)1円未満50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げ同上(愛知労働局の資料)
1か月の賃金支払額(控除がある場合は控除後の額)100円未満/1,000円未満100円未満の端数を、50円未満は切り捨て、50円以上は100円に切り上げて支払う(例: 238,449円→238,400円、238,450円→238,500円)
または、1,000円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払う
いずれも就業規則の定めにもとづいて行う
同上(愛知労働局の資料)
遅刻・早退・欠勤の時間—5分の遅刻を30分の遅刻として賃金カットするような処理は、労働の提供がなかった限度を超える部分(25分)について賃金の全額払いの原則に反し違法。就業規則に定める減給の制裁として労働基準法91条の制限内で行う場合は、全額払いの原則に反しない同上(愛知労働局の資料)
住民税の特別徴収の月割額100円未満年額を12で割った額の100円未満の端数は、すべて最初の月(6月分)に合算。市区町村が条例で異なる定めをしている場合はその定めによる地方税法20条の4の2第6項・第8項、321条の5第1項
源泉所得税: 源泉徴収税額表(月額表)—表の税額は円単位国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表
源泉所得税: 電算機計算の特例(月額表の甲欄)10円未満四捨五入国税庁「電算機計算の特例」(令和8年分)
源泉所得税: 賞与(算出率の表)1円未満(賞与−社会保険料等)×算出率の1円未満を切り捨て国税庁 タックスアンサー No.2523
年末調整1,000円未満/100円未満課税給与所得金額の1,000円未満を切り捨て。年調年税額(年調所得税額×102.1%)の100円未満を切り捨て国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」

※ 子ども・子育て支援金(令和8年4月分から)は、厚生労働省・こども家庭庁「子ども・子育て支援金に関するQ&A」(令和8年2月12日)問6で、一般保険料率と支援金率を合算した率を標準報酬月額・標準賞与額に掛けて折半し、控除する額の端数を50銭以下切り捨て・50銭超切り上げで処理する手順が示されています(健康保険料と支援金を別々に端数処理しない)。

※ 基発第150号の割増賃金・時間数の処理は、常に労働者の不利になるものではなく事務を簡便にする目的のものと認められるとして、労働基準法24条・37条の違反としては扱わないとされている方法です。賃金支払額の処理は、賃金支払の便宜上の取扱いとして24条違反としては扱わないとされています。

※ 平均賃金(休業手当・解雇予告手当などの計算に使う1日分)の銭未満の端数は、平均賃金・休業手当・解雇予告手当の早見表で扱っています。

表2: 社会保険料・雇用保険料の本人負担分の計算例

同じ端数でも、給与から控除する場合と、本人が会社に現金で払う場合で結果が変わるのは端数がちょうど50銭のときだけです。

例端数のある額給与から控除する額本人が現金で払う額
被保険者負担分(折半額)12,345.49円12,345円12,345円
被保険者負担分(折半額)12,345.50円12,345円12,346円
被保険者負担分(折半額)12,345.51円12,346円12,346円
厚生年金保険料(賞与345,678円→標準賞与額345,000円×18.3%÷2)31,567.50円31,567円31,568円
雇用保険料(賃金245,699円×5/1,000)1,228.495円1,228円1,228円
雇用保険料(賃金245,700円×5/1,000)1,228.50円1,228円1,229円
雇用保険料(賃金245,701円×5/1,000)1,228.505円1,229円1,229円

※ 厚生年金保険料率は18.3%(平成29年9月から固定)、雇用保険料率は令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の一般の事業の労働者負担5/1,000で計算しています。事業主と被保険者の間に特約があれば、特約による処理もできます。

表3: 残業代の1時間あたりの賃金と割増賃金(月平均所定労働時間160時間の例)

月給制の1時間あたりの賃金は、月給(割増賃金の基礎となる賃金)を月の所定労働時間数(月によって異なる場合は1年間の1か月平均所定労働時間数)で割った額です(労働基準法施行規則19条1項4号)。1年365日・年間休日125日・1日8時間なら、1か月平均は(365−125)×8÷12=160時間です。表は、1時間あたりの賃金を処理した後の額に率を掛け、その結果をもう一度処理した例です。

月給(割増賃金の基礎)1時間あたりの賃金(計算値)処理後時間外×1.25(計算値)処理後法定休日×1.35(計算値)処理後
201,000円1,256.25円1,256円1,570円1,570円1,695.60円1,696円
215,500円1,346.875円1,347円1,683.75円1,684円1,818.45円1,818円
228,000円1,425円1,425円1,781.25円1,781円1,923.75円1,924円
239,500円1,496.875円1,497円1,871.25円1,871円2,020.95円2,021円
251,000円1,568.75円1,569円1,961.25円1,961円2,118.15円2,118円
266,500円1,665.625円1,666円2,082.50円2,083円2,249.10円2,249円
283,000円1,768.75円1,769円2,211.25円2,211円2,388.15円2,388円
298,500円1,865.625円1,866円2,332.50円2,333円2,519.10円2,519円
312,000円1,950円1,950円2,437.50円2,438円2,632.50円2,633円
345,500円2,159.375円2,159円2,698.75円2,699円2,914.65円2,915円

※ 率は法定の最低の率(時間外労働2割5分、休日労働3割5分)です。割増賃金の基礎となる賃金からは、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除くことができます(名称ではなく内容で判断します)。率の組み合わせと時給別の単価は残業代の時給単価早見表で引けます。

表4: 1か月の残業時間の合計の端数

時間外労働・休日労働・深夜業のそれぞれの1か月の合計に1時間未満の端数があるときの処理です。昭和63年3月14日基発第150号で、このように処理しても労働基準法24条・37条の違反としては取り扱わないとされている方法です。

1か月の合計時間処理後処理
8時間10分8時間30分未満の10分を切り捨て
8時間29分8時間30分未満の29分を切り捨て
8時間30分9時間30分以上の30分を1時間に切り上げ
15時間45分16時間30分以上の45分を1時間に切り上げ
20時間40分21時間30分以上の40分を1時間に切り上げ
32時間05分32時間30分未満の5分を切り捨て
41時間30分42時間30分以上の30分を1時間に切り上げ

※ この処理は1か月の合計に対して行うもので、日ごとに端数を処理する(たとえば毎日の残業を15分単位で切り捨てる)ことはできないと、労働局が案内しています。

計算のしかた(残業代の例)

月給251,000円・1か月平均所定労働時間160時間で、その月の時間外労働の合計が20時間40分の場合です。

  1. 1時間あたりの賃金: 251,000円÷160時間=1,568.75円 → 50銭以上なので1,569円
  2. 1時間あたりの割増賃金: 1,569円×1.25=1,961.25円 → 50銭未満なので1,961円
  3. 時間数: 20時間40分 → 30分以上なので21時間
  4. 時間外労働の割増賃金: 1,961円×21時間=41,181円

※ 1時間あたりの額では端数処理をせず、1か月の割増賃金の総額で処理する場合は、1,568.75円×1.25×21時間=41,179.6875円 → 41,180円です。

表5: 住民税(特別徴収)の月割額

年額を12で割り、100円未満の端数を6月分にまとめます。7月から翌年5月までの11回は100円単位の同じ額です。

特別徴収税額(年額)7月〜翌年5月(各月)6月うち6月に加わる端数
60,000円5,000円5,000円0円
98,700円8,200円8,500円300円
120,500円10,000円10,500円500円
150,300円12,500円12,800円300円
183,600円15,300円15,300円0円
245,900円20,400円21,500円1,100円
312,400円26,000円26,400円400円
400,100円33,300円33,800円500円

※ 年額は、市町村民税・道府県民税・森林環境税をあわせた額です。分割した月割額の端数を最初の月にまとめる決まり(地方税法20条の4の2第6項。特別徴収では同条第8項により1,000円を100円と読み替える)は、これらをひとつの税とみなして当てはめます(同条第8項)。表5は、通知を期日までに受けて6月から徴収する通常の場合です(期日後に通知を受けた場合は、通知を受けた月の翌月から翌年5月までの月数で割ります。321条の5第1項)。市区町村が条例で異なる定めをしている場合は、その定めによります。特別徴収税額が均等割額に相当する金額以下のときは、最初に徴収する月に全額を徴収します(321条の5第1項ただし書)。特別徴収が始まる時期は住民税の特別徴収はいつから?の早見表で引けます。

表6: 源泉所得税・年末調整の端数の例(令和8年分)

場面計算計算値処理後処理
賞与(算出率4.084%の場合)社会保険料等控除後の賞与523,456円×4.084%21,377.94304円21,377円1円未満を切り捨て
年末調整: 課税給与所得金額給与所得控除後の給与等の金額−所得控除の額の合計2,345,678円2,345,000円1,000円未満を切り捨て
年末調整: 年調年税額年調所得税額137,000円(2,345,000円×10%−97,500円、住宅借入金等特別控除なし)×102.1%139,877円139,800円100円未満を切り捨て

※ 毎月の給与は、源泉徴収税額表(月額表)の税額をそのまま使います。電算機計算の特例で計算する場合は、税額の10円未満を四捨五入します。月々の税額の目安(電算機計算の特例による)は月収別 手取り早見表で引けます。

よくある質問

Q1. 社会保険料の折半額がちょうど50銭のときは、切り捨てですか切り上げですか?

A. 給与から控除する場合は切り捨てです(50銭以下は切り捨て、50銭を超えると切り上げ)。本人が会社に現金で払う場合は切り上げです(50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げ)。たとえば12,345.50円なら、給与から控除するのは12,345円、現金で払うなら12,346円です。事業主と被保険者の間に特約があれば、特約による処理もできます。雇用保険料の本人負担分も、給与から控除するときは50銭以下を切り捨てます。

Q2. 残業時間を1日ごとに15分単位や30分単位で切り捨ててもよいですか?

A. できません。通達(昭和63年3月14日基発第150号)で認められているのは、1か月の時間外労働・休日労働・深夜業それぞれの合計時間に1時間未満の端数があるときに、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理です。労働局は、日ごとに端数処理することはできないと案内しています。

Q3. 5分の遅刻を30分の遅刻として給与から差し引いてもよいですか?

A. 遅刻した5分を超える部分(25分)のカットは、賃金の全額払いの原則に反し違法とされています。ただし、就業規則に定める減給の制裁として、労働基準法91条の制限の範囲内で行う場合は、全額払いの原則には反しないとされています。

Q4. 会社負担の社会保険料が、本人負担とちょうど同じ額にならないのはなぜですか?

A. 事業主負担分は、納入告知額から被保険者負担分の合計を差し引いた額だからです。納入告知額は被保険者ごとの保険料額を合計してから1円未満を切り捨て、被保険者負担分は1人ずつ端数処理をします。たとえば厚生年金保険料で、2人の標準賞与額が345,000円と251,000円の場合、保険料額は63,135円と45,933円(合計109,068円)、給与から控除する被保険者負担分は31,567.50円→31,567円と22,966.50円→22,966円(合計54,533円)で、事業主負担分は54,535円になります。

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出典(すべて官公庁の一次情報)

※ 本ページの表・数値は、上記の出典(公表値・法令の算式)をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関が作成したものではありません。

※ 本表は2026年10月時点の一般的な情報です。実際の手続き・判断は公式情報および専門家にご確認ください。個々の給与計算の結果にはお答えできません。年金事務所・加入している健康保険・労働基準監督署・市区町村・税務署にご確認ください。

最終更新: 2026-10-19

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